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日本のFXのレバレッジ規制は業者保護のため?

あまり大きな話題になってはいないようですが、2017年に入って国内FX取引の法人口座のレバレッジが下がりました。

現在の法人口座のレバレッジの例(SBI FXトレード)

下がる前は各社によってレバレッジは異なるものの、国内FXの法人口座ではレバレッジ100倍で取引できていたFX会社が多かったので、今回の規制で100倍から約50倍程度へのおよそ半分の引き下げになったことになります。

レバレッジ規制がFX取引において悪影響を与えることは過去にも取り上げました。

為替取引は通貨戦争か?日本のFXレバレッジ規制の悪影響

レバレッジが下がるということは同じ取引枚数を取引するために、より多くの証拠金が必要になります。それはより多くの証拠金をfx業者に預けないといけないということです。FXの取引に関係なく業者が突然倒産することもありえますので、預けたお金は預けた時点でリスクにさらされているお金になります。レバレッジが規制されればリスクにさらされるお金が増えるのだから、レバレッジ規制は個人を保護する目的で進められているのではないことは明らかです。

個人投資家の保護を優先させるなら、業者に預ける証拠金を少なくするためにハイレバレッジを認めたほうが安全に取引できる環境を維持できます。ハイレバレッジになると激しい値動きの時に、想定以上の大きな損失を被ってしまうという心配の声はあると思いますが、それは「預けた金額以上の損失が発生しないようにする」ように追証なしにすることで個人投資家のリスクを制限できます。

追証なしにしたら、今度は想定以上の値動きをしたらFX業者が損失を被ってしまうという意見もあるかもしれません。しかし、レバレッジ規制が「個人投資家を保護すること」を目的にしているなら、FX業者の損失リスクを優先して考えていること自体が「個人投資家を保護」とは矛盾したことになるので、FXのレバレッジ規制は個人投資家の保護を目的に進められているのではなく、FX業者保護のために進められていることだと考えることができます。

レバレッジ規制は、スイスフランショックのようなことが起きた時のためだという意見もあるかもしれませんが、そもそも、スイスフランショックの時はわずか数分で2000pipsほどの激しい値動きをしているので25倍でもフルレバレッジをかけていたら即死で借金地獄です。

損失する方向に値動きがあった場合の例:
証拠金:100万円
レバレッジ:25倍
ポジション:20枚
pips:-2000
損失額:-400万円
追証額:300万円

スイスショック自体を完璧に予測するのは難しかったようですが、一部のFX業者ではショックの前にスイスフランの取引の注意を促す告知もしていたようなので、事前にそれらしい兆候はあったようです。

急激な値動きによる損害をさけるためには、FX業者が事前に様々な情報を把握して、危険な通貨の取引を控えるよう顧客に通知したり、場合によっては想定以上の値動きをする可能性がある時やその通貨は一時的にレバレッジ規制したり、取引を停止するなどの臨機応変な対応をしたほうがまだ損害を防げると思います。

スイスフランショックの時は、顧客の損失の回収ができずにつぶれたFX会社もありました。個人投資家にリスクをすべて押し付けても、個人投資家も無尽蔵にお金があるわけではないので、資金の回収ができなければFX業者はつぶれます。FX業者自体も市場の先行きを予測しておかないと生き残れないということです。少なくともスイスフランショックのような事態は、レバレッジ規制をかけただけでは解決にならないことは先に説明した通りです。

今のFX事業者が負っているリスクは、顧客からの未収金というリスクだけだと思いますので、この問題を解決するために、証拠金を増やすレバレッジ規制を進めているのだと思います。追証なしにすると、証拠金以上の損失が出た場合はFX業者がその損失をかぶるため、今までFX業者が個人投資家にすべてを押し付けていた取引による損失リスクをFX業者も抱えることなります。追証なしにすると、FX業者も相場の値動きによってリスクを負う可能性が出てくるので、FX会社も損失をなくすために真剣に市場に潜む大きなリスクを予測して事前に大きな値動きがありそうな場合のリスクを避ける対応を考えるのではないでしょうか。

FXのような投機は勝つことは大変難しいので市場参加者の9割は負けます。FX業者にとっては、入金される金額=顧客の損失となり、レバレッジ規制で入金が増えるのはよいことなのかもしれません。これは想像の域を出ないので実際のところはどうなっているのかわかりませんが、いろいろ考えると証拠金規制を進めている関係者と国内のFX業者には何か関係でもあるのではないかと考えてしまいます。

レバレッジ規制は、ほかにも下のような悪影響を日本のFX業界に与えている可能性が考えられます。

・レバレッジ規制をすることで海外の取引業者を使う人が増える
→日本で消費されるはずのマネーが海外に流出するということです。

・レバレッジ規制が進むことでFX取引をする魅力がなくなる
→FX取引ではなく別の金融商品へ顧客が流れやすくなるということです。

海外のFX業者を利用している人は、変なFX業者を使ってしまえば出金できないなどのトラブルに遭いやすくなる場合もあります。顧客の保護や日本経済への影響を考えるなら、日本のFX市場参加者が国内FXにおいて安全に取引ができるように市場を整備するのが最善の策だと思います。そう考えると、国内のレバレッジ規制はするべきではありません。

ハイレバレッジによるリスクを問題視するなら、レバレッジを規制するよりも今のように誰でも口座を開設すればFX市場に参加できる状態を放置するのではなく、試験制度、資格制度などを設けて金融知識をしっかり持った人だけが取引できるようにすればいいのではないでしょうか。

顧客を保護するためのそういった制度の導入は、FX業者や行政が進めるべきことだと思いますが、そのような話がないということは、誰でも取引できるようにしたほうが都合がいい理由があるのかもしれません。何も金融知識がない素人がギャンブル感覚で気軽にFXのマーケットに参加するということは損をする市場参加者が増えるということだと思います。ハイレバレッジのFX取引で破綻する人はレバレッジを制限したところで根本的な部分でレバレッジのリスクを理解していないので破綻することに違いはありません。

レバレッジ規制をすると個人が同じ枚数の取引を続けようとしたら、FX会社に預ける証拠金が増えていきます。追証が発生すればFX業者に追加でお金を預けないとロスカットになってしまうので、個人投資家はポジションを維持するために入金をします。ハイレバレッジであれば、この入金は本来必要ないお金です。証拠金規制を行ったことで確実に増えているだろうと思われるのはリスクにさらされている個人投資家の証拠金(FX業者への入金)です。FXにおいては、ハイレバレッジでなくなることによって個人投資家のリスクは格段に上がっていると考えられます。

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