【2018年7月2日 月曜日 ドル円相場】
週末に北朝鮮が核開発を続けているという報道や、カナダの対米報復関税の発動の報道があった週明けのドル円相場は、時間外の海外取引で110.5円台まで下げてから110.8円台まで上げて、日本で取引が開始する時間になると前週の終値と変わらぬ110.6円台になってスタートしていた。ドル円は、9時を過ぎると本邦実需の買いがあったようで上昇が強まって、10時台に111円をつけて11時過ぎには111.058円まで上昇したが、111円台を維持できずにそこからは値を下げていった。週末の30日に発表されていた中国国家統計局の製造業PMIが予想を下回っていたことが嫌気されたようで、上海総合指数が下落すると日経平均株価も後場には急落し、ドル円は16時すぎには110.604円まで値を下げて、朝のスタートラインに戻っていた。日経平均は下げ幅が大きかったが、ドル円の下落は大きくなかった。欧州市場ではドル円は値動きがあまりなくなり、110円台後半で推移していたが、NY市場がはじまる前に米国債利回りが上昇を強めると、22時台に110.9円台まで値を上げる場面がみられたが111円がレジスタンスラインとなったのか、上値を抑えられているようだった。当日は米製造業購買担当者景気指数PMIやISM製造業景況指数が発表されて、予想を上回る結果となっていたが、ドル円相場の反応は薄くなっていた。ドル円は米国債金利の上昇とダウの反発に引かれて、2時すぎに再び110.9円台をつけたが111円は超えられず、その後は110.8円を中心に小幅な値動きになっていった。5時過ぎには、メルケル首相がドイツ政府内の移民問題の対立で合意に達したとの報道を受けて、ユーロが買われていたがドル円への影響は限定的だった。
【2018年7月3日 火曜日 ドル円相場】
値動きが小さくなっていたドル円だったが、9時を過ぎると仲値に向けて買いが強まっていき、10時台には111円を超えて勢いがついたのか111.136円まで上昇していった。昨日の高値を更新するまで上昇したドル円だったが、中国株の取り引きがはじまると昨日休場だった香港の株価が大きく下げていたこともあって、日経平均株価も下落に転じてドル円は10時半過ぎに110.752円まで値を下げ、昨日と同じような急上昇、急落の値動きを繰り返していた。中国株は貿易戦争の懸念で下落が続いていたことから、当日は中国国営メディアから株急落は過剰反応といった下落を意識した報道が出ていて、それを受けてか中国株は反発に転じていき、後場には上海総合指数が持ち直すと、ドル円も再び111円台をつけて16時過ぎに111.112円まで上昇していた。上昇したものの当日の高値は超えられなかったドル円は、その後はジリジリと値を下げる展開となり、21時過ぎに金利の低下に伴い、時間足チャートで引けていたトレンドラインを割り込んだこともあってか、110.5円台まで下落が強まっていった。当日は中国国有銀行が人民元支援のためにドル売りをしていた模様とのヘッドラインもあったので影響していたかもしれない。当日のNY市場は明日が独立記念日となっていたため、短縮取引となっていて、値動きは限られるかと思われたが、終始NYダウ指数は売られて値を下げて、ドル円も再び値を下げると0時過ぎには110.509円まで下落していた。NY勢が引けるとドル円は動かなくなった。
【2018年7月4日 水曜日 ドル円相場】
110.5円のサポートラインが固かったドル円だったが、日が変わって7時を過ぎるとブレイクし、値を下げる展開が強まっていった。9時過ぎには110.275円まで値を下げていたドル円だったが、下値は固く反転すると日本市場時間に110.5円近くまで上昇したが、中国株がジリジリと値を下げていたこともあって上値も重く、ブレイクしたサポートラインがレジスタンスラインとなって上昇を阻んだようで超えられずに、再び値を下げていた。値を下げてもドル円は朝方の安値を更新することはなく反発し、17時を過ぎると110.5円を超えて110.552円まで値をあげたが、その後はアメリカが独立記念日ということもあって、値動きは小さくなっていき、110.5円を中心とした小動きになっていった。
【2018年7月5日 木曜日 ドル円相場】
値動きが小さくなっていたドル円は、9時を過ぎて日本市場がはじまると日経平均株価の上昇に合わせて、ドル円も上昇し110.615円まで値をあげたが、株価が下落に転じると合わせて下げていき、10時すぎには110.289円まで下落していた。下落したドル円だったが、昨日安値を更新せずに反発した後、日経平均株価が後場に下落を強めていたことで、再び110.3円を割り込むところまで値をさげたが、当日の安値を更新せずに底堅く反発していった。15時前には、ユーロにまとまった買いがみられたようで、株価の動きは度外視で為替のみ円売りユーロ買いとなって、ドル円はユーロ円の上昇につられるように上昇を強めて110.695円まで上昇していった。マーケットの反応は特になかったが、明日に控えた米国の対中関税発動を前に、中国が同日に報復関税を発動すると日本時間6日1時過ぎにアメリカの発動前に報復関税を発動することになるとの見方が出ていたが、中国側が先に報復関税を発動することがないように米国関税発動後に報復すると方針を転換していた。
その後のマーケットの動きは明日の関税発動を前に取引が控えられているのか、ドル円は110.5円から110.7円のレンジ相場となっていった。当日のADP雇用統計は数値が予想を下回り、発表直後の反応は薄かったが、ジリジリと値を下げていた。その後のISM非製造業景況指数は予想を上回る好結果だったが、上値は限定的だった。FOMC議事要旨もほぼドル円相場は反応を示さずレンジ相場が続いていた。
【2018年7月6日 金曜日 ドル円相場】
110.5円近くのレンジの下限にあったドル円は、日本市場がはじまると仲値で上昇を強め、そこからジリジリと値を上げていく展開へと変わっていった。アメリカの対中関税は、米国時間6日0:01(日本時間13:01)に発動が予定されていて、注目が集まっていたが、時間になって関税が発動されても、マーケットはすでに織り込んでいたため大きな値動きは見られなかった。米国の関税発動後に、中国側からの報復発言が出るとドル円はやや値を下げる場面もあったが、下値は固く値が下がらないことを確認したあとは、株価が上昇したこともあって、14時すぎには110.781円まで値を上げていた。その後は、当日のアメリカの雇用統計へと関心が移る中、ドル円は値を下げていき16時を過ぎると110.527円まで値を下げる場面があった。16時半過ぎに中国が報復関税を発動したとのヘッドラインがあったことから、米中貿易戦争のリスク回避でドル円が下げていたのかもしれない。いつもの雇用統計前の動きとなって値動きがなくなってきたドル円は、週の初めの値とあまり変わらない110.6円台で雇用統計発表時刻の21:30を迎えていた。雇用統計の結果は、雇用者数は予想を上回ったが、平均時給と失業率は予想より弱い結果となって、ドル円は発表直後に110.4円台まで値を下げる反応をしたが、値動きは大きくなかった。その後もジリジリと下値を追っていたドル円は、23時すぎには110.379まで下落したあと、1時すぎに110.5円台に反発してから値をさげ、週の終値は110.4円台となっていた。
【今後の見通し】
ドル円は111円台まで上昇したが、そこから値を下げて週足は上ヒゲの陰線となっているため、次週は下落する展開が見込まれる。米中関税の発動とアメリカの重要指標が重なった週ではあったが、ドル円の値動きは小さかった。ドル円は、リスクオフ材料が出てきても終始底堅い展開が続いているため、このまま2015年の高値から引くトレンドラインへトライする可能性が高いと思われる。トレンドラインを越えなければ引き続き下落する可能性があるとみておきたい。
【次週の予定】
次週は12日(木)の米消費者物価指数(CPI)に注目。関税が発動されたことで新たな米中貿易戦争の動きがみられるかにも注意しておきたい。
USD/JPY week O:110.637 H:111.136 L:110.275 C:110.425
USD/JPY予想レンジ 7月9日~7月13日 108.000-112.000
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