有名なチャートパターンに「ヘッドアンドショルダーズ」と呼ばれるチャートパターンがあります。
1、上昇トレンドの中一つ目の山(レフトショルダー/左肩)を作ります。
2、一度値を下げた後、一つ目の山(レフトショルダー/左肩)を超えて新高値をつけ二つ目の山(ヘッド/頭)を作ります。
3、値を前回の安値近くまで下げた後、三つ目の山(ライトショルダー/右肩)を作ります。
4、二回値を下げた値を結んだライン(ネックライン)をブレイクしてチャートパターンが完成します。
このチャートパターンのエントリーはネックラインをブレイクしてからです。利益確定はヘッドとネックラインの値幅と同じ値を目標にするのが一般的です。
また、このチャートパターンの逆の形を「ヘッドアンドショルダーズボトム(逆三尊)」といいます。
ヘッドアンドショルダーは有名なチャートパターンなので多くのトレーダーが意識をしているチャートパターンです。そのためネックラインを割れると値に勢いがつきやすくなっています。
ヘッドアンドショルダーがチャートパターンとして多くのトレーダーに認識されているのは確かですが、実際の勝率や相場での有効性はあまりデータとして残っていません。チャートパターンというのは勝率100%ということはありえないので、三尊型(逆三尊型)に沿ってトレードすれば100%勝つなんてことも当然ありません。実践で使うには利益確定と損切りと勝率の裏付けが必要です。そこでドル円の月足限定で過去のチャートからヘッドアンドショルダーに該当するチャートを抜き出して分析してみました。
・期間は1996年~2015年の20年間を対象にしています。
・エントリールール:ヘッドアンドショルダーネックラインブレイク
・損切り:ライトショルダーの値
・利益確定:ヘッドとネックラインの値幅
【1998年8月高値ドル円月足】結果:損切り 約1700pips
【1999年11月安値ドル円月足】結果:損切り 約1200pips
【2002年1月高値ドル円月足】結果:利益確定 約2000pips
【2011年10月高値ドル円月足】結果:利益確定 約1000pips
月足の中で三尊型と認識できたチャートパターンは主に4回ありました。その時の各トレード結果は上の通りです。勝率は50%合計のpips数ではわずかながら約100pipsのプラスとなりました。データがあまりにも少ないのでこれをもってヘッドアンドショルダーの有効性を見るのは難しいですが、有名なチャートパターンだけあってトレードにおけるエッジはありそうです。条件をもっと詰めて日足や時間足でデータをとっていけばより実践で使える手法となると思います。
2016年に入ってドル円は月足のヘッドアンドショルダーのネックラインをブレイクしています。ヘッドとネックラインの値幅では約10円の106円ラインが目標となっています。今回のトレード結果はどうなるかはまだわかりませんが、今後の行方には注目しておきたいと思います。