日本の祝日だった7月18日にソフトバンクの孫正義社長がイギリスの半導体設計大手のARMを約3.3兆円で買収するというビッグニュースが飛び込んできました。
18日はこのニュース自体に為替市場は大きくは反応していませんでした。英ポンド円は買収が発表される前に値上がりしていたので、すでに3.3兆円の為替のカバーはされている可能性が高いとみられているようです。
このニュースは為替のカバーという部分だけでみれば影響は限定的になりますが、「ソフトバンクの孫社長が投資したタイミング」という部分をクローズアップすると少し面白い展開が期待できそうです。
ソフトバンクの孫社長は2012年の10月15日にも米国3位の携帯電話会社スプリントの買収劇を演じています。2012年の10月はドル円は80円台に位置し、まさにこれからアベノミクスが始まるというタイミングでした。
そして、今回の買収劇です。
ドル円相場は6月にイギリスのEU離脱を決める国民投票の結果を受けて急落し、100円を割るところまで一時値下がりしましたが、その後の日本の参議院議員選挙の後から持ち直し、上昇ムードに変わりつつあります。
ソフトバンク孫社長の投資タイミングが前回のアベノミクス開始と同じく、これからの相場の反転が期待できるタイミングであるなら、ドル円相場もここからの反転が期待できるかもしれません。
すでに、ドル円は年初からの調整で20円以上の値幅を下げています。これはドル円の年間平均値幅を超えています。このまま円高が続く可能性もまだありますが、これから先はむしろ値を戻していく展開のほうが可能性が高くなってきていると言えるでしょう。ソフトバンク孫社長の大勝負とは比べものにはなりませんが、相場の反転にかけるなら、孫社長に乗っかってみるのもありかもしれません。