ドル円は、アメリカ大統領選挙でトランプ大統領の勝利というサプライズ結果の後、一旦円高になっても100円を割れずに反転すると現在米国債利回りの上昇に合わせて急速な円安ドル高が進行しています。この円安ドル高の終着点はどこなのかを長期的に考えてみました。
過去にFRBが利上げをするとドル円は一旦は円高ドル安になるものの、その後反転して前回の高値を更新してました。
アメリカ利上げ後の過去チャート(1994年2月、1999年6月、2004年6月)
下は利上げのタイミングとその後の数値をまとめたものです。
それぞれのチャートで前回高値を抜けた後の値動きを見ると1994年の上下の値幅が突出して大きい数値になっていますが、平均するとドル円は利上げ前の高値を超えて20円くらい上昇しているようです。2015年12月の利上げを開始した月の高値は123.662なのでこれに約20円をプラスすると約143円になります。
そして、もう一つのアメリカ大統領選の翌年のドル円のデータからは、大統領選の翌年はだいたい20円程度の値幅でドル円が上昇していることがわかっています。
【大統領選の翌年のドル円値幅】
※オレンジ色の箇所が翌年の高値と安値の値幅です。
2016年のドル円の終値はまだわかりませんが、この二つの過去のデータから見ると、これからドル円は130円から140円程度までは上昇する可能性が高そうです。
そして、まったく別の視点から見ている人の意見で1ドル140円台や今後の円安ドル高を予想している人もいるので、1ドル140円台という予想は的外れな考えられない可能性とは言えなさそうです。
・5年後に150円の理由とは?
・米ドル/円の為替相場サイクル分析
2016年10月4日に今年上値を抑えられていたトレンドラインと日足の75日線をブレイクしてからドル円は円安ドル高トレンドになっている可能性が高いので、今後も140円程度までの値幅を視野に入れて、上昇トレンドに合わせてトレンドするのが正解かもしれません。
そして、もし140円までドル円が到達したらのことも考えておきましょう。もしドル円が140円近いポイントまで大幅に円安に傾いたら、その後に関しては1998年につけている144.7円の高値を超えるかが大きな節目となってきます。ここを上抜けてしまうとドル円は年レベルのチャートで巨大なダブルボトムが完成することとなり、チャート上の上値の目標地点は200円近くになります。チャートパターンにはダマシがあるのでネックラインを抜けても目標地点に到達するかはわかりませんが、この展開になってしまった時には「止まらない円安」という事態になってしまう可能性もあるかもしれません。そういう事態になる前に政府や日銀が様々な策を講じてくることは必須でしょう。政府や日銀が対策できるかどうかは別にして、政策が急激に変わった場合には、1998年に3カ月で40円近く下落したような、相当荒い値動きになる可能性も頭の片隅に置いておきたいと思います。